フリーランス・HTMLコーダーを辞める人の話

これはポエムなので自分のサイトに記すことにしました。
転職時には「辞める理由」と「新しい職を選ぶ理由」があるものだけれど、この投稿は「辞める理由」の話です。

目次


なぜフリーランスになったのか

そもそも2014年に独立したきっかけは「会社員という自分の立場に不満があったから」だった。会社というものは創設者が頭を下げて融資を受けたり、数々の困難を乗り越えつつ今があり、そのうまい汁を吸って従業員として保護されている立場の自分なのに、会社の方針に不満を持つって、どうよ?というところにあった。どこに勤めたとしても長く勤めるほど思うところは色々出てくるだろうし、不満があるのなら、まず自分で事業を立ち上げて、自分が舵をとるべきだと思った。

会社にいれば、自分は会社員として、会社の方針にのっとり、自分の心にもないようなことを口にしたり、行動しなければならない。そのほとんどはくだらないような日常の些細なことの積み重ねだ。例えば数十万円以上もする商品を売るのに、100均のすぐ書けなくなるボールペンを渡して接客しなければならないとか(どうしてもイヤなので私物のペンを持ち込んで仕事をしていた)。工事をするなら相見積もりは最低3社はとり、選んだ1社をさらに値切るとか(値切ったぶん手を抜かれるから結果的に高くつくのに)。そして、たぶん、夜の「お仲間」の話合いで決まったんだろうなと想像がつく、とても合理的とは思えない判断にも従わなければならない。

15才でアルバイトを始め、19才からはフリーターとして複数のバイトを掛け持ちしたり、時には正社員として働くようになったけれど、20台前半頃まではそれほど強くなかった不満を、独立当時29才の自分は強く抱くようになっていた。

フリーランス・HTMLコーダーを辞める理由

独立した頃にやりたいと思っていたことと、今やりたいと思うことがズレてきてしまったから。

フリーランスになった当初はただ、ウェブサイトを作りたいと思っていた。自分の方針を軸にしながら、楽しいウェブサイト制作を続けられればよかった。来月の仕事があるかどうかもわからないフリーランス生活のなかで、幸運にもさまざまな出会いの中でみなさまに可愛がってもらい、許されたりしながら、振り向けば8年が経っていた。

その中で、段々と、請け負ったウェブサイトの売り上げを改善したい、改良したい、というようなエゴを隠せなくなってきた。もともと持っていた欲ではあるし、かつて社員の頃にもそれは社内で実現してきたことではあったけれども、ついに他社のことにまで首を突っ込まずにはいられなくなってしまった。お節介おばさんの誕生だ。そして最終的には「製品やサービス、内部のオペレーションを改良したい」「事業を改善したい」と考えてしまうことが多くなった。しかし、コーダーである私のところにデザインデータがきた時点で、これらの根本事項を解決するには手遅れがすぎる。これは、私がフリーランス・コーダーでいられなくなってしまったということだ。

しかも、これらを実現するためには、私一人の働きかけでは弱い。根拠も薄い。私一人ではとても手が回りきらない部分や、出てこない発想がある。そして外部のいちフリーランスとしては背負いきれないような責任を同時に背負わなければ、よそさまの会社の経営に首を突っ込むなど、してはならないことだとも思った。我慢できずに口を出してしまいがちだけれど。

自分が(そしてこれは同時にクライアントが)目的を達成するためには、自分以外を巻き込んだ、組織の力が必要だと考えるようになった。その軸となる組織は、ただの人の集まりではなく、自立した個人の集まりがお互いを認め合いながら結束したような、そういう組織だ。一時的なチームワークにとどまらず、時間をかけて信頼関係を築きつつ、弱みも少し共有するような。

なぜこのタイミングなのか

上記の理由に比べれば些細なことだけれども、2023年10月からインボイス制度が始まる。個人事業主の益税が実質的になくなるうえに、おっくうな登録手続きや、記録も必要になってくる。

課税事業者になるか、いっそ法人成りするか…というのは、インボイス制度の話が出始めた時期から、ずっと考えてきた。書籍も何冊か読んだし、身近な人たちに話を聞いてみたりもした。そのたびに、「私の仕事内容では(人を雇うわけでもなければ)法人化してもあまり利点はない」と判断してやめていた。そして段々と「国は、個人事業主よりも企業、もっと言えば、社会により大きな影響を与える大企業を優遇する方針だ」「個人事業主は今後、より、冷遇されるかもしれない」と考えるようにもなっていった。国保も高齢化が進めばもっと高くなっていきそうだ。
私の中で、いまが潮時だという認識が固まった。

さて、そのようなタイミングで「うちに入りませんか」と声をかけられたのが、私にとっての転機だった。


以上が辞める理由の話でした。
次は「新しい職(?)を選んだ理由」を書くつもりです。

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